和の話
市松模様の「市松」は人の名前
市松模様の「市松」は、江戸時代の歌舞伎役者、初代佐野川市松の名前に由来します。四角を交互に並べる文様そのものは、それ以前から石畳などと呼ばれていました。文様が生まれた時代と、今の名前が広まった時代は別です。
古い形に、役者の名前が付いた
太田記念美術館は、佐野川市松の人気と石畳の意匠との結びつきを、浮世絵や役者評判記などから紹介しています。舞台の上で身に着けたものが、人々の好みとなり、名前まで残る。江戸の流行が今の持ち物にもつながっています。
このため、佐野川市松が四角い模様を最初から発明した、と考えると話が変わってしまいます。もとからある文様に、人気の人物の名が結びついたと捉えるのがよいでしょう。
「最初の舞台」は簡単に断定できない
どの舞台衣装が流行の発端だったかについては、複数の説明があります。同館の検証では、後世の記述と同時代の資料を比べる必要があることが示されています。
由来を短く話すときにも、「役者の名にちなむ」という大枠と、「ある年のある演目が最初」という細部は分けられます。名前の背景を知りながら、確かめきれない部分を物語で埋めない。文様の歴史を楽しむときにも役立つ見方です。
四角に花を重ねると
「和レトロの花と市松」は、市松の直線に花の曲線を重ねた柄。暗い色と金色の格子、大きなピンクの面があり、単純な二色のチェッカーとは違う見え方になります。
四角い並びが好きなのか、その上の花が好きなのか。楽天で画像を見ながら、順番に目を向けてみてください。名前を知った文様を、自分の色の好みで選ぶ楽しみがあります。役者の流行から続いてきた呼び名を、今度は自分の毎日の持ち物に取り入れる一枚です。
参考にした情報
- 太田記念美術館「『市松模様』を流行らせた、佐野川市松ってどんな人?①」
- 太田記念美術館「同②・流行検証編」
- 柄の説明:当店の掲載画像による
確認日:2026年10月25日。商品の対応機種・価格・制作発送・注文条件は、購入先の最新案内をご確認ください。
